鬼の棲み処

普通な人「おーが」の記憶を逃がす場所、ただの備忘録

ザリガニを食べてみる(2)


先日の続き。言うてもネタがあれへんのやのぅて、無駄に好評みたいやから慌てて書いてみた。



さて、綺麗なザリガニ作りしてく上で1等気にしやなあかんのは、奴らの体内の状態。
体内に取り込む物は水と餌やから、毎日ph(ペーハー)と硬度のチェックは忘れんようにして、異常があれば、換水、エアーレーションで対応。


大体水質てのは酸性の硬水てな方向へ変わってくもんやから、エアーレーションで二酸化炭素追い出せば中性方向んなるし、適度な硬水の名古屋水道水に換水すれば、硬度は下がるてな話。
水源やら季節で水質は変わるもんやから、この辺敏感に気になる人は、水道局に聞いてみるのがベスト。
俺も何度か電話して嫌々答えてもろたわ《笑


餌は、本来肉食の奴らの為に、金魚やらミミズなんてな生きたタンパク質を与えたいとこなんやが、どっちも殺菌状態に問題あるし、食べ残しが原因で一気に病原菌が繁殖する可能性があるってんで
却下。
俺が食う飯をお裾分けしてやる事にしたんよ。
元々俺の腹に入る予定やった物を食うてるんやから、最終的に俺の腹に入っても大丈夫やろと。
ところがこいつら、食べ方が汚い。とにかくよぅこぼすし、こぼしっ放しなもんやから、食べ残し問題が発生。
そこで水中フィルター購入&追加。
多分、世界一神経質にアメリカザリガニを飼う男や思うわ。


そんなんしてひと月ちょっと経った頃、メス2号が抱卵してんのを発見!




冷静に書いてみて気付いたんやが、メス2号て、すでに4匹のザリガニの区別付いてんのやな。




狂喜する俺。
数日後、メス1号も抱卵。
こうなると凶暴なだけのオスはお役御免て事で、家の前の川へ放流。いきなり劣悪な環境に放り出されて大丈夫やろか?てな心配もしたが、元々無駄に丈夫なだけにえぇやろ、と。
そんな事より生まれてくるチビザリ達のが大事。




男て悲しい生き物やね《笑




でもって数週間後。無事に孵化!
ちんまいクセに一丁前にザリガニの形してやがる。
こうなると、次の問題はどこでメスを取り出すか。
なんせ脳味噌の小さい奴らの事、間違いなく食っちまう。
とりあえず様子見ながらメスを自然に帰す事にして数日。




水槽ん中でチビザリがワシャワシャ動いてて軽く気持ち悪いっての。




予定通りメスも自然に帰すと、ひと段落。
せやけどそこは俺。ここで要らん事思いつく。




「う〜ん…。こいつら食っちまうと、浄化作業したんは一代だけて事んなるんよなぁ。しかもこいつら、このまんま育てると確実に養殖風味にしかなれへんのよな…。」




俺は自分が育てたザリガニを食うて


「ザリガニ?あぁ、食うた時あんで。」


とか言うてえぇもんやろか?と。
せやけど、本来の味持ってるやろ思う天然物やと、病気が恐い。
結論、背に腹は代えらんねぇ、養殖のウナギ食うてウナギの味知ってる言うてえんやから、完全養殖でもえぇやろ、と。
そんで、ついでに決定したんが




次の代食お。て事。




どうよ、この“是が非でも食うたんのじゃ!”てな意志の強さ。
見せどこ間違うてんのは横置いといて、こいつらの成長の為の餌について考える。
当時はインターネットなんて便利な物あれへんもんやから、頼るんは書物、専門文献。
久々に図書館行って、狂ったように“生物の成長”について調べてメモる。
2日かけて調べた結論は、人間と一緒で、高タンパクな餌と十分な運動が基本。
更に水中生物にとって必要なんが、カロリーで、甲殻類な奴らにはカルシウムも大量に必要。
水中で生き続けるには、その場に居てるだけでも水流の抵抗やら水圧との闘いやし、大きなる為には脱皮しやなあかん訳やから、新しい殻作るカルシウムが必要てな訳や。
特に成長過程にある産まれてから数ヶ月は爆発的に栄養素を消費するってな話やから、最適な餌てのは…




よし、共食いしとけさ《笑




必要な物を摂取させたい言う話なんやから、必要な物持ってる奴を食わせとけばえばえぇやん。
運動量も稼げるやろし《笑
この合理的な考えの基、様子見ながら一月近く放置。で、数が少ななってきたん見計らって、水中フィルター一基追加。同時に餌やり始める。
俺が考えに考え抜いた結果選んだ餌は、固ゆで卵の卵黄と生豚肉、カルシウム豊富な熱帯魚用冷凍赤虫(ユスリカの幼虫)。
どうよ、この高タンパク高カロリっぷりと過剰な栄養バランス《笑

ただ、卵黄は水に溶けるし、冷凍赤虫も水質を急激に悪するもんやから、フィルター追加。
浄水機能だけやったら、1500㎜水槽でも回せる程のオーバースペック仕様。


更に、カルシウムを完璧に使いこなすのに必要な日光を得る為、魚屋から発泡スチロール箱入手。
発泡スチロール箱に隠れ家をいくつかこさえて、金網で脱走防止と鳥よけのフタしてベランダへ置いて準備万端。
暇見つけちゃ捕まえれるだけ捕まえて放り込む事に。


そんな状態で1年が過ぎた《笑


冬の間も冬眠させやんように、水温と照明調節して常夏演出したお陰で、1年間フルに成長続けて、親より大きなった。
こんだけ手間暇かけてんのに、不慮の事故やら、原因不明で数減らしちまってんのやが、20匹は越えてる。


そして、まもなく産卵の時期…





次回、完結編へ続く。
いや、せっつくな、親指痛いっての《笑