鬼の棲み処

普通な人「おーが」の記憶を逃がす場所、ただの備忘録

っぽくない

まぁ他人(ひと)がどない思てようと知ったこっちゃない訳なんやけど、流石に

「サザンとかユーミン聴いてそう」

とか言われて凹んでる男おーがです、皆さんこんばんは。

どっちも嫌いやったりすんのになぁ。

 

さて、昔から「人は見かけによらぬもの」なんてぇ事を言いますが、先程の話もそういう類ですな。

見た目の雰囲気から、普通のおいちゃんが懐古的にってな意味合いでそう言ったんでしょうが、言われた本人は面白くない。

こちとらバリバリの江戸っ子でぇい!てなもんで、スカからデスメタルまで洋楽ばっかり聴いてる訳ですよ。ロックな訳ですな。

 

そんなロックなあっしにもね、自分で言うのもアレなんですけど、ちょいと人には言ってない「らしくない」楽しみってかぁ趣味みたいなもんがありまして。

そいつをちょいとお話ししてみようかと。

いや何、大した話じゃねぇんですけどね。

 

実は文房具が大好きでして。

えぇそう、勉強したり書類仕事したりする道具、文房具。

特にね、筆記用具が大好物なんですよ。シャーペンだのボールペンだの、ちょっとしたこだわり持って使い比べて「コレだ!」ってな一本を探し出して大事に使うんでさぁ。

その延長でここ数年ハマってるのが万年筆。そうそう、インク入れて書く、ちょっと粋な感じのアレ。昔の文豪さん方が使ってたような、あの字を書く道具。

あの万年筆で「字を書く」ってぇのにハマっちゃいましてねぇ。

いや、違うな。万年筆は大昔にも使ってたんですよ。

いやね、昔ロックバンドなんてのをやってた時分に、歌詞を書くのに万年筆を使ってたんでさぁ。

どこでどぅ手に入れたのかなんてのはすっかり忘れちめぇましたがね、とにかく万年筆でノートにクソ野郎だのぶち殺せだの中でイッちまうだの書き殴る訳でさぁ。

当時は万年筆の正しい使い方なんて知らねぇですから、ペン先を潰しちゃって書けなくなっちまったらまた買ってくるくらいは気に入って使ってましてね。

ところがバンド辞めて社会に出て肉体労働者になるってぇと、途端に文字なんぞ書きゃしない。そんな毎日繰り返して、いつしか万年筆なんて忘れてたんですな。

 

そんなある日、たまたま入った文房具屋で見つけちまったってのが、お値打ちな万年筆。

最近じゃインク遊びする婦女子の皆さんに人気だってんで、かなりお安いのが出てるんですなぁ。

なんと¥300でお釣りが来ちゃうってんだから驚いた。しかもどこぞかの怪しいもんじゃなく、天下のプラチナさんの商品だってんだから二度驚いた。

いや、メーカの希望小売価格なんざ知りませんよ?あっしゃあ眼の前に有る物の値札見て驚いたんだから、その値段で話してる訳でさぁ。

元々万年筆の書き味が好きな上に、インクカートリッジまで付いて¥300ってんだから買わねぇ手が無い。ひょいと摘みあげてそのままレジでお勘定だ。

翌日職場で使ってみるってぇとまたまた驚いた。昔使ってた感触より全然いいじゃないの。

毎日ひたすら、その時思った事をそのままノートに書き殴るってな事をボールペンやシャープペンやってたんですがね、この日から万年筆一本槍。

 

そんなある日だ。ノートを使い切ったもんだから変えたんですよ。

なんせ楽しいもんだから、結構なペースでノートを消費するってんで、庶民の味方100均で買ったノートだ。

するってぇと、途端に書き味が悪くなる。なんだか書いた字もインクが滲むよんなった。

こいつはどうした事かと考えて気付いたね、ノートだよ。

紙の質が変わったらペン先との相性も、インクとの相性も悪くなっちまった。

ここで元のノートと同じのを買ってこりゃ良かったんだが、あっしゃあ気付いちまったもんだから確かめなきゃ気が済まない。

紙が変わると、書き味もインクのノリも変わる。ってぇこたぁだ。もしかしたら、この世の物とは思えねぇような、極上の書き味を堪能できる紙ってぇのが、どこかにあるのかもしんねぇ。

ん?待てよ?その前に万年筆自体が、もっとこう、あっしに合う最高の物が存在してんじゃあねぇのかい?

ここに気付いちゃったからさぁ大変。万年筆について調べてみると、出るわ出るわ、その書き味だけでもサラサラ、スラスラ、ヌラヌラ、カリカリ、サリサリ・・・。

挙げ句に紙と接するペン先は純金製の方がいいらしく、フワフワだのペナっとしただのしなりがどうだのもう何がなんだかわかりゃしねぇ!

ところがそんなのは個人の見解、感覚だろ?ってんで、本当の所は実際自分で使ってみなきゃわかりゃしねぇ。

こちとらそんなお足が無限に湧いて出るわけもねぇってんで、ヤフオクだのメルカリだのを見始める。

この時点で終わっちゃってんだよね。

 

これもぅ何年前の話かね?もぅ4~5年経ってそうなもんだけど、どうなんだろうね?
もう今ではすっかり万年筆も紙もインクも「あっしにはこれが最高なんでさぁ」って思う物使って、純粋に「書く」って事を楽しんでますけどね。

この一本、一瓶、一枚に出会うためにどれだけ試して、どれだけ使ったかは言えやしませんけど、もぅ「万年筆は買わねぇ!一生買わねぇよ俺ぁ」てな境地にたどり着く一本に出会えたってぇのはありがたい話だねぇ。

ん?そんな大きな事言って大丈夫かいって?

おぅでぇじょうぶだ、賭けてもいいぜ?なんせ物が万年筆だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

書け(賭け)て当たり前なんだよ

 

おあとがよろしいようで。

愛しの一軍たち(他にこの倍は所持してる)